フランス語で「宇宙」
フランス語で「宇宙」を表す単語は3つあります。
1つ目はl’universです。
男性名詞で、「リュニヴェール(冠詞がないとユニヴェール)」と読みます。
大文字でUniversとつづることもあり、分解すると”uni”と”verse”からできています。
“uni”の語源はラテン語で、「単一」という意味です。
フランス語ではunir (ユニール:結びつける、一つになる)やl’unité(ユニテ:統一、単位、単品)など、この”uni”に由来する単語がたくさんあります。
“vers”の語源はラテン語vertere(ヴェルテレ)の語幹です。
vertereは「回転する、(向きを)変える」を意味する単語です。
フランス語では、これに由来する前置詞vers(~に対して)や、”vers”または”vert”という形で、さまざまな単語に埋め込まれています。
この”uni”と”vers”の組み合わせから、「一つになる」という意味合いが生まれ、地球やほかの惑星、私たちをとりまく世界すべて含みこんだものをuniversというのです。
2つ目はl’espaceです。
男性名詞で、「レスパス(冠詞がないとエスパス)」と読みます。
こちらは、ラテン語の「空間」を意味する単語spatium(スパティウム)に由来しています。
このことから、フランス語では、空や宇宙空間としての意味よりも、面積的な意味での「スペース」や「場所」という意味で用いることが多いです。
3つ目はcosmosです。
男性名詞で、「コスモス」と読みます。
これは上の3つと違い、ギリシャ語で「宇宙」を意味する κόσμος (kosmos:コスモス)という単語に由来します。
また、この「コスモス」という単語には「秩序、整理・整列、世界」といった意味もあります。
このことから、古代ギリシャ世界で理想とされた「調和のとれた、秩序ある状態(空間)」としての宇宙を表しているのです。
フランス語では、もちろん天文学的な意味でcosmique(コスミック:宇宙の)などの単語に使われていますが、哲学的な意味でcosmologie(コスモロジー:宇宙論)などの単語にも使われています。
以上、フランス語で「宇宙」を表す3つの単語と、語源・由来から見たその意味の違いの紹介でした。