日本では日常必須用語である「すみません」。
何かを人に聞くとき、人にぶつかったときなど、人に迷惑をかけて申し訳ないという気持ちを伝えるときに本当によく使いますね。
これは、人間関係をまるくおさめようという気配りの文化でもあります。
それに反し、フランスでは謝罪は自分の非を認めて、自分を不利な状況におくことであり、自己を曲げてまで謝罪することはあまりありません。
自己確立のため自分の意見を通すべディベートが好きな国民性からしても、日本とは反対の文化を持っているといえるかもしれませんね。
それではフランス語における「すみません」をご紹介します。
いろいろなシーンに一番便利なPardon(パるドン)
Pardon(パるドン)日常的に最もフランスでよく使われる「すみません」です。
感覚としては、日本語の「失礼!」にあたるでしょうか。
ちょっとぶつかったとき、足を踏んでしまったときなどこちらがかけた迷惑を人に詫びるときや、電車や道などで通り道をあけてもらうときなどの失礼を詫びるときに使われます。
冒頭でフランス人は謝罪を好まないと書きましたが、こういうシチュエーションではきちんとPardonと声をかけるのがフランス流。
反対に、謝罪文化の日本では上記のようなシチュエーションでも無言ですませてしまう人も多く残念です。
このPardonは、英語で言うPardon meと同様に聞き逃してしまったとき、聞き直したいときにも使います。
その他に、人に道などを尋ねるときの導入の「すみません」としてもよく使われます。
これは英語で言うExcuse meと同じですね。
あまり使われないExcusez moi(エクスキュゼ モワ)
Excusez moi(エクスキュゼ モワ)は、直訳すると「私を赦して」という意味の命令文です。
従って、このExcusez moiを口にするということは自分の非を認めることになりますので、フランスではあまり使われません。
本当に謝罪をしなければならないシーンでのみ使用されます。
そのため、英語のExcuse meと同じ感覚でレストランなどで「すみません」としてExcusez moiを使うと、いきなり謝罪することになりとても不自然になります。
あいさつやお礼で代用できる場合も
ホテルのチェックインや駅でチケットを購入する際の「すみません」は、Bonjour!(ボンジューる)と挨拶するのが自然かもしれません。
またプレゼントや気遣いなどにお礼を言う際の「すみません」は、ストレートにMerci!(メルシー)で返すのが一番ですね。
日本語の「すみません」にはいろいろな意味合いがありいろいろなシチュエーションで使われます。
むやみにExcusez moiと謝罪しないよう、それぞれのシーンに合ったフランス語の「すみません」をチョイスしましょう。