フランス語で「運命」
フランス語で「運命」を表す言葉にはsort(ソール)、destin(デスタン)、destinée(デスティネ)、fortune(フォルチュン)、fatalité(ファタリテ)などがあります。
これらの単語にはどのような違いがあるのでしょうか?
「定め」と「運命」
まずsort(ソール)です。
この単語はラテン語のsors(ソルス:運命)に由来します。
「身の上、暮らし向き」などという風に訳されることもあり、一般に「巡り合わせの結果」としての「人の境遇」を表すときに使われます。
「運命」を表すフランス語の中では一番意味の広い単語だといえるでしょう。
次にdestin(デスタン)とdestinée(デスティネ)です。
この二つはよく似ていますね。
これらは「~に向かっている」という意味もある動詞destiner(デスティネ)からきています。
「あるものに向けられて (定められて)いる」というイメージです。
このことから、「ものごとの巡り合わせ」という意味での「運命」を表します。
人の境遇を表すという点で、結果的にはsortと同じような意味を持つことになります。
「よい運命」と「悪い運命」
上の3つは、どのような状況でも使われる言葉です。
それに対して、特に「幸運(よい運命)」と「不運(悪い運命)」を表すときに使う言葉もあります。
まず、「よい運命」を表す言葉はfortune(フォルチュン)です。
fortuneはラテン語のfortuna(フォルトゥナ)に由来しますが、さらにローマ神話の幸運の女神を語源に持っています。
また、fortuneには「財産」や「豊かさ」という意味もあります。
次に、「悪い運命」を表す言葉はfatalité(ファタリテ)です。
こちらもラテン語のfatum(ファトゥム)に由来し、「神によって語られるもの」「神の意志」という意味があります。
このためどんなに悪くても避けられない、人の手ではどうすることもできない「天命」を意味し、そこから「破滅、死」といった意味でも用いられることがあります。
ポイント
以上のように、「運命」は大きく2つに分けることができます。
sortやdestin、destinéeだけでも十分に意味は伝わりますが、fortuneやfatalitéも使い分けられるようになると表現の幅が広がりますよ!