フランス人は本当にワインをよく飲みます。
家庭で、友達と、レストランで…といろんなシチュエーションがあります。
日本でも乾杯の挨拶は楽しい酒席の始まりに欠かせませんが、フランス語では、乾杯の言葉はいくつかあります。
スタンダードなのが、A votre santé!(ア・ヴォートル・サンテ!)です。
santéは健康という意味で、『あなた(方)の健康のために』となります。
もう少しくだけた表現で、Santé!(サンテ!)とだけ言うこともできます。これは友人同士などでよく使われます。
では、肝心の乾杯に入るときの掛け声について、ご紹介しましょう。
乾杯・祝杯は、toast(トースト)といいます。
ですので、乾杯に入るときは、『On va porter un toast.』(オン・ヴァ・ポルテ・アン・トースト=乾杯しましょう)と声をかけます。
ちなみに、英語でtoastはパンのことですが、フランス語ではその意味はありませんので、ご注意ください。
また、乾杯のときにグラスをぶつける音からくる言い回しとしてTcin tcinをご紹介しましたが、乾杯のときにグラスをぶつける理由について、こんな話を聞いたことがあります。
中世のフランスでは、お酒の中に毒を盛ることもあったそうです。
そのため、乾杯でグラスからお酒が出るくらいぶつけ、自分のお酒を相手のお酒に混ぜ、相手がそれを飲むかで、毒が入ってないことを確かめたそうです。
今では乾杯は場を和ませる大切な掛け声ですが、そんな起源があったのですね。
ただ、今では、グラスがぶつからない程度に合わせるのがマナーです。
ワイングラスなどはぶつけると割れてしまう恐れがありますし、今は毒を盛られる心配もありません。
それよりも、気持ちよくお酒を楽しむために、相手の目を見て微笑みながら、『乾杯!』と挨拶するのが良いマナーのようです。