私達にとってもっとも身近な天体のひとつである、月。
身近ゆえに、神話に登場したり暦に使われたり、会話の中で月に関係する言葉は多いもの。
そこで、フランス語における月について説明していきます。
天体としての「月」
まずは、天体としての「月」を表す単語から。
フランス語で月は「lune」。
ラテン語で月を表す「luna(ルーナ)」が語源です。
発音は国際音声記号で[lyn]、カタカナで書くと「リュンヌ」がもっとも近いでしょう。
女性名詞ですので定冠詞「La」がつき、「La lune」で「ラ・リュンヌ」となります。
いろいろな月
月は、細くなったりまんまるになったりと、その姿をさまざま変えます。
そして、その姿によって「三日月」、「満月」といろいろな呼ばれ方をします。
さて、フランス語ではそれぞれどんな風に言うのでしょうか。
満月は、「満ちた月」ということで「いっぱい」を意味する形容詞「pleine」をつけて、「La lune pleine」。
「ラ・リュンヌ・プレーヌ」と発音します。
半月は「半分」の「demi」をつけて、「La demi-lune」。
発音は「ラ・ドゥミ・リュンヌ」となります。
新月は、「新しい月」ですので、新しいを表す「nouveau」の女性単数形「nouvelle」をつけて「La nouvelle lune」。
発音は「ラ・ヌーヴェル・リュンヌ」です。
ところが三日月だけはなぜか「Le croissant de lune」で、男性名詞の定冠詞「Le」がつくのです。
発音は「ル・クロワッサン・ドゥ・リュンヌ」。
「Le croissant」は朝食でおなじみのパン、クロワッサンのことです。
これは、17世紀のウィーンでパン屋がトルコ軍の侵入に気がつき街を救ったことを讃え、トルコのシンボルである三日月の形をしたパンが焼かれたことに由来すると言われています。
暦の月
暦の上での「月」についても紹介しておきましょう。
フランス語で、1月から12月までは次のようになります。
1月は「janvier」で、発音は「ジャンビエ」。
2月は「février」で、発音は「フェブリエ」。
3月「mars」で、発音は「マルス」。
最後の「s」も発音します。
4月は「avril」で、発音は「アブリッル」。
5月は「mai」で、発音は「メ」。
6月は「juin」で、発音は「ジュアン」。
7月は「juillet」で、発音は「ジュイエ」。
8月は「août」で、発音は「ウートゥ」。
最後の「t」は発音することが多いでしょう。
発音しないと「ウー」となります。
9月は「septembre」で、発音は「セプトンブル」。
「p」も発音します。
10月は「octobre」で、発音は「オクトーブル」。
11月は「novembre」で、発音は「ノーバンブル」。
12月は「décembre」で、発音は「デッサンブル」。
すべての月名は男性名詞です。
月曜日は?
曜日にも「月」がありますね。
月曜日です。
月曜日はフランス語で「lundi」。
「ランディ」と発音します。
フランスで曜日を並べる時は「lundi」から始まります。
また、フランス語の場合、曜日は小文字から書きはじめるのがふつうです。
その他の曜日は、火曜日が「mardi」で「マルディ」、水曜日が「mercredi」で「メルクルディ」、木曜日が「jeudi」で「ジュディ」、金曜日が「vendredi」で「ヴァンドゥルディ」、土曜日が「samedi」で「サムディ」、日曜日が「dimanche」で「ディマンシュ」。
月名と同じく、曜日もすべて男性名詞です。
日本人には女性名詞と男性名詞というのはなかなか慣れないものです。
フランス語の慣用表現で「je suis dans la lune.」=「私は月にいます」で、上の空という意味になるのですが、「je suis dans la lune!」になって女性名詞と男性名詞をうっかり間違えないように注意しましょう。